Appleを代表する10の製品

Apple's most significant products of the decade | Macworld

MacWorldにて2000-2009年の10年間でAppleを代表する10の製品(というかニュース)が紹介されている。こうして見るとここ10年でAppleは急成長したのだとつくづく実感。もともと創立30年そこそこしか経っていない、(日本の感覚で言うと)新しい企業であるにも関わらず、社会に与えた影響はかなり大きいものがある。

10位 iPhoto (2002)

2002年Macworld Expoにおいて画像のデジタルデータを管理するためのソフトウェアiPhotoが発表された。その後次々と機能が追加され、今日では顔認識機能までついている。発表当時には新しい写真の管理方法を提案した。

ここ10年でデジタルカメラは普及し、初心者でも数百万画素のモンスターマシンを扱えるようになった。Appleはいち早くデジタルカメラの可能性を見出し、ユーザにその管理を手助けするツールを提供した。

9位 Apple Retail Store (2001)

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2001年5月、AppleはTyson Corner, Va., GlendaleにApple Retail Storeをオープンさせ、年内に25店舗まで増やすと発表した。10年間で世界で273店舗にまで上る。

目的はMacを買うつもりが無い層への売り込みである。2001年にまで遡ると、「(Macを使っていない)残り95人のうち5人がMacを買えば我々のシェアは倍増することになる」とAppleのCEO Steve Jobsは語った。

8位 iTunes Music Store (2003)

2003年3月に20万曲を抱えるiTunes Music Storeをオープンさせ、一曲99セントでダウンロード販売を開始した。その後巨大化し、2008年にはアメリカ最大の音楽小売業者となった。今やTV番組や映画の販売/レンタル、DRMフリーの音楽も扱っている。

iTunes Music Storeが現れるまでオンラインでの音楽小売は一般的でなかった。ファイル交換サイトでタダで手に入るのに誰が曲を買うだろうか?しかしiTunes Storeの音楽の質とダウンロードの簡単さによりオンラインで音楽を買うのは一般的になった。そしてiPodの売上も減る事はなかった。

7位 iPhone SDK (2008)

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iPhoneが発売された当時はiPhone上で動作するアプリを作ろうとすると、Webベースのものしか選択肢がなかった。しかし2008年のiPhone SDKリリースにより事情は変わり、iPhone / iPod touchのネイティブアプリの開発が可能になった。その年の6月に552のアプリとともにApp Storeがオープンしたが、今日その数は10万にまで上る。

iPhoneでは様々なことができるが、他のスマートフォンとはサードパーティ製のアプリの量・質で差別化された。

6位 Aluminum PowerBook G4 (2003)

Appleは2003年を「ラップトップの年」と位置づけ、12インチ・17インチのPowerBook G4を発売した。ともに酸化皮膜処理されたアルミニウム製であり、年末には15インチモデルも登場した。小さな変更はあったものの、そのデザインは今日まで残っている。好評のユニボディすらこのPowerBookの面影が見られる。さらに、Appleはラップトップにおいて小・中・大の選択肢を提供しつづけている。

この10年はポータブルのものとなった。パフォーマンス改善によりラップトップはデスクトップに対する競争力を得て、さらに2003年のこの製品の登場によりそれに拍車がかかった。Appleはモバイルコンピューティングの恩恵に預かっている―売り上げられるMacのうち3分の2以上がラップトップであり、4半期の販売記録を更新する原動力となった。

5位 Boot Camp (2006)

一旦AppleIntel製プロセッサ搭載のMacを作りはじめると、Microsoft WindowsMacのハードウェア上で動作可能になるまで長い時間はかからなかった。Intel Mac所有者にWindows XPをネイティブ動作させることを可能にしたのはBoot Campである。Boot CampMac OS Xに組み込まれている一方で、サードパーティMacWindowsを一つのマシンで動作させる仮想化ソフトを提供している。

MacWindowsが動作可能になったことにより、会社のIT部門が従業員にMacの使用を許可することに対する障害が一つ取り除かれた。10年前には決して歓迎されなかったMacだが、Boot Campと仮想化ソフトによりMacはより魅力的な選択肢となった。

4位 Intelへの移行 (2005)

Steve JobsWWDC 2005のKeynoteにおいて、ApplePowerPCを捨てIntelを採用すると発表した。その半年後、AppleIntelベースのiMac, MacBook Proを発売することとなる。WWDC 2006までにMac ProのリリースによりAppleはすべての製品ラインのIntelへの移行を完了した。同年初のIntelベースのMac OS Xをリリースした。

PowerPCの進化は限界に達した。Intelチップへの移行はAppleに新たな可能性を開き、安定したアップデートを続けることができるようになった。そして前述の通り、IntelベースのMacWindowsを動作させることが可能となり、ビジネスユースにしても魅力的なものとなった。

3位 iPhone (2007)

疑いようもなく10年間で最もドラマチックなシーンであった。Steve Jobsは2007年1月のMacWorldにおけるKeynoteの最後にポケットに手を突っ込みiPhoneを取り出した。それ以来Apple―そして携帯電話業界全体―は一変してしまったと言っても過言ではない。その後2年余りで2回のアップデートを経て、販売鈍化の兆しも全く無く3300台のiPhoneを売り上げた。

2位 Mac OS X 10.1 (2001)

正確にはAppleは2001年3月にクラシックなMac OSからMac OS Xへ移行する整備をした。OS X 10.1(通称Puma)がその年の後半に続いた。新しいOSを特徴付けるAquaインターフェースとCocoa/Carbon APIは既に定着した感があるが、このバージョンではユーザからOSへのアクセシビリティの改善がなされた。

Appleの核となるMacビジネスに対して、OS Xの移行ほど影響を与えたものはないだろう。Macの用途は広がり、他のOSメーカーに対する標準となった。正直に言うと、他のOS Xアップデートを選ぶこともできたが、この記事では新OSの先鞭を着けたという意味で10.1を挙げた。

1位 iPod (2001)

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2001年10月、Cupertino本社で開かれたプレス向けイベントでAppleは1000曲保存可能な音楽プレーヤーを発表し、瞬く間に人気になった。2002年にWindows互換となったことは間違いなくその一助となったことだろう。iPodの売れ行きが鈍化してもAppleは未だに四半期で1000万台の音楽プレーヤーを売り上げている―売上が倍増するホリデーシーズンでない限り。

Mac純粋主義者はこの考えに震えるかもしれないが、iPodAppleが単なるコンピュータ会社でないことを示している。このデバイスの登場によりAppleはプレーヤー業界でリーディングカンパニーとなり、我々はエンターテイメントのために物理メディアよりもデジタルファイルに依存するようになった。90年代にiMacAppleを復活させたように、iPodの利益を押し上げ、この10年を成功した―そして金になる―ものにした。